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行動経済学の最新動向

開催日 2014年08月29日(金)  時間 19時00分~20時30分
対象者 日本CFA協会会員(正会員、準会員、受験者会員)、CFA受験者、一般
参加人数 78名
パネラー・講師 俊野 雅司氏, CFA (成蹊大学経済学部 客員教授、早稲田大学 商学学術院 非常勤講師、中央大学 戦略経営研究科 兼任講師)
主催 一般社団法人日本CFA協会

セミナー詳細

行動経済学の基礎的研究は、2002年のノーベル経済学賞受賞者カーネマンとトゥベルスキー(1996年に逝去)によって1970年代に公表された。最近、カーネマンが初めて執筆した一般読者向け啓蒙書『ファスト&スロー』が刊行され、カーネマンたちが初めて出会ってから、行動経済学の基礎的研究を築くまでの経緯などが紹介されている。本書では、行動経済学の背景にある様々な意思決定上の歪みの源泉について、当時のエピソードを交えながら解説するとともに、最近の神経経済学の研究成果との関連性についても、興味深い考察を行っている。
前半部分では、このような神経経済学における人間の思考プロセスの特徴にも触れながら、行動経済学の基礎概念について整理を行う。
行動経済学の示唆は、ファイナンス面には限らず、医療、教育、司法など様々な分野に応用されている。アメリカでは、行動経済学を政策決定に応用する方法を研究する専門のスタッフを置いているなど、政策面への応用を試みている。このような行動経済学の応用領域についても言及する。
行動経済学のファイナンス分野での応用が行動ファイナンスと呼ばれている研究領域である。伝統的なファイナンス理論では十分に説明できない現象(アノマリー)が数多く指摘される中、投資家の意思決定上の歪みとアノマリーとの関連性に関する研究が行われている。後半部分では、アノマリーと行動ファイナンスの基礎概念との関連性について考察を行う。