取締役(社外取締役)の義務と責任について―近時の動向を踏まえて
開催日 | 2019年02月20日(水) | 時間 | 15時00分~17時00分 |
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パネラー・講師 | 上村 達男氏(早稲田大学法学学術院・法学部 教授) | ||
主催 | 一般財団法人 会計教育研修機構 |
セミナー詳細
取締役ないし社外取締役の意義やあり方については多くのことが論じられていますが、その義務と責任という会社法の基本的な考え方を踏まえた議論になっているかは疑わしいです。ガバナンス・コードはこうしたハードローの理解が確実に押さえられていることを前提に、よりレベルの高い議論としてなされる必要があります。一方で有価証券報告書提出会社のような金商法適用会社にあっては、金商法上の制度を踏まえた義務と責任の理解が必要であり、他方で、株式会社の大半を占めるガバナンス・コード適用外の会社にとっては、うちはガバナンス・コードは関係ない、という思いにとらわれることで逆に会社法への無関心を招きかねません。大事なのは、いつも会社法の話をしていれば、コードをcomplyしてもしなくてもexplainできるという姿勢です。
(1)株式会社の機関構造-選択肢が多すぎ、基本概念も定まらない
(2)指名委員会等設置会社が先端的という誤解
(3)社外取締役の意義-法律学か経営学か
(4)取締役の職責の多様性-公開会社の場合(対市場責任)
金商法開示・会計・監査・内部統制に対する理解は不可欠
(5)取締役の善管注意義務・忠実義務
競業避止義務、取締役・会社間の取引、取締役の報酬規制
(6)取締役の対会社責任、対第三者責任
(7)金商法上の役員の責任との関係
(8)随時、判例を紹介する