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インベストメントチェーンの律速は何か?伊藤レポートで語られていない点

開催日 2015年02月17日(火)  時間 19時00分~20時30分
対象者 日本CFA協会会員(正会員、準会員、受験者会員)、CFA受験者、一般
参加人数 25名
パネラー・講師 三木 隆二郎 氏、CFA(公益財団法人 年金シニアプラン総合研究機構 特任研究員)、関 孝哉 氏(コーポレート・プラクティス・パートナーズ株式会社代表取締役)
主催 一般社団法人日本CFA協会

セミナー詳細

2013年に経済産業省で出された「伊藤レポート」は各方面で大きな反響を呼びました。中でもCFA会員にとり耳が痛かったのは「長期投資家不在の『資産運用後進国』日本」という同レポートの冒頭に書かれている第二の問題意識であり、この指摘に真摯に応えることが我々我が国の資産運用を牽引する立場にあるものに求められているといえましょう。
第三の問題意識「企業と投資家の対話の欠如がもたらす悪循環」のところで「投資家側は他律的ガバナンス構造が企業に導入されていないことを批判する」と述べられているのですが、我々の仮説は「機関投資家のコーポレートガバナンス自体が批判できるような水準に達していないことがインベストメントチェーンの律速の一つではないか。」というものです。
また、同じ個所で日本の金融資産で現預金の割合が非常に高く、株式や投資信託の割合が低いという指摘が、同レポートの提言の一つである「長期的な応援株主としての個人投資家の育成」(5.2論点)に結びついているわけですが、それについても我々は論理にやや飛躍があり実効性のある具体策に欠けると考えており、今後急速に伸びが期待される確定拠出型年金においてその運用資産の6割以上が眠っている現預金をリスクマネーに変換させるために企業年金連絡協議会が「新ハイブリッドプラン提案(協働運用型DC制度)」で提案しているリスクポートフォリオをデフォルト商品にする案に注目したいと思っています。「企業の持続的成長への重要かつ長期的な資金供給源にならず確定拠出型年金制度に眠る現預金がインベストメントチェーンの律速のもう一つ」といえるのではないでしょうか。

最初に三木氏から以上の問題提起をした後、関氏から海外事例をふまえて解説をします。
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今回はCFA Japanセミナー初の試みとして、講師からの問題提起や海外事例の解説の後、受講生が小グループで議論してコメントや質問を考える時間を設けた。時間配分として講師二名からの発表で30分、小グループでの議論で30分、質疑で30分とした。
当日は4,5人で小集団を作って、当日指名されるグループ議長とグループ書記役のリードのもと、グループ内で活発に意見を述べ合ってその結果をまとめ、議長が発表した。
各グループの書記は各成員の意見に加え、グループとして議論されたまとめを記したレポートをセミナー終了後にアンケートとは別に事務局に提出。セミナー時間内に議論されなかったグループの意見も7月のCFA Japan特別セミナーにおける議論のアジェンダとして反映させることとする。
このようなインタラクティブなプログラムの進め方は海外のカンファレンスでは受講者同士がより積極的に交流する狙いでよく見られるものであり、当協会としては将来、受講者が海外でより積極的に発信していく上での一助となればと願って実施した。