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世界の経済・投資環境の総点検~「カネ余り中心主義」を脱す

開催日 2013年09月24日(火)  時間 19時00分~20時30分
対象者 日本CFA協会会員(正会員、準会員、Candidate会員)、CFA受験者、一般
参加人数 43名
パネラー・講師 馬渕治好氏、CFA (ブーケ・ド・フルーレット代表)
主催 一般社団法人日本CFA協会

セミナー詳細

昨年11月を起点に始まった国内株高と円安については、いたずらな悲観論から市場が脱却する過程と位置付けるべきであり、市場における金融緩和効果に対する期待は行き過ぎている、と3月13日の講演で批判的に論じた。その後、いわゆる「異次元の緩和」発表により、行き過ぎたカネ余り期待はさらに行き過ぎたが、5月下旬からの株安・円高で、相場は一旦「異次元の緩和」発表時の水準に戻り、過剰なカネ余り期待は、3月に論じた内容の通り、完全に剥落したと考えている。国内株式相場や円相場は、期待による第一幕が終焉し今は幕間にあると言えるが、今後は世界経済の実態改善に沿った第二幕へ移行していくだろう。
国内経済そのものの状況も、アベノミクスをはやす報道により、心理指標(ソフトデータ)ばかりが改善したという第一幕は、今は勢いを失っている。一方、徐々に実物経済を測る指標(ハードデータ)が好転する第二幕へと、踏み出しつつあると考える。
カネ余り期待が市場で行き過ぎてきたのは、日本国内ばかりではない。米国においてもカネ余りを過度に評価する向きが多く、米国の株価のみならず、新興諸国市場の動向まで、全てを米連銀の金融政策で説明しようとの議論があふれかえっている。米国経済や株価の堅調さは、カネ余りではなく実体面で支えられている度合いが大きく、新興諸国市場の動揺も、それぞれの国の経済・政治状況の波乱によるところが支配的であろう。
本講演では、内外ともに根強い「カネ余り中心主義」を批判的に論じつつ、世界の投資環境を包括的に点検してみたい。